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水コン​実行委員会に要望書を提出

2020年10月9日、OchaDiversityはお茶の水女子大学の水コン実行委員会宛に、次のような要望書を提出しました。

公開要望書: テキスト

​水コン実行委員会への公開要望書

水コン開催見直しについて(要望)

 

 貴団体におかれましては、日頃より徽音祭での水コン開催に向け、企画推進をされていることに心から敬意を表します。

 しかし近年、早稲田大学、慶應大学、東京大学、上智大学、北海道大学など多くの大学でミスコンの是非が問われ、法政大学や国際基督教大学ではミスコンが廃止されています。その背景には、ミスコンには「見る男性—見られる女性」という性差別的な側面があること、また容姿や女性のあり方への評価が投票結果となり女性が順位づけされることで「美」や「女性のあり方」が画一化されるという問題意識から、ミスコンの是非を問い直そうとする動きがあることが挙げられます。

 こうした昨今の一連の動きからも、水コンの企画実行にあたっては、徽音祭実行委員会の責任が大きいことは言うまでもありません。水コン実行委員の皆様が水コンを上記のようなミスコンとは違うと認識し、徽音祭を盛り上げようと努力されていることは承知しています。しかしやはり水コンが他大学のミスコンと同様の問題を抱えていることは否めません。

 性差別への反対や、「美」と「女性のあり方」の多様化の必要性が認識されている今、お茶の水女子大学有志グループ「OchaDiversity」は、下記の項目をここに要望します。


1.現在の「人気投票」形式を廃止すること

 現在のようにオンラインで顔写真、全身写真やQ&Aを公開して、不特定多数の人に『人気投票』を求めるスタイルをとるのはなぜでしょうか。運営委員会の皆さんには、従来のミスコンと異なる『水コン』を開きたいという意識があると知りましたが、他大学の従来通りのミスコンと同じスタイルで、同じwebサービスを使って、つまり「審査する側」と「審査される側」のジェンダー非対称性を考えることなく、これを開催する限りは、皆さんの意図するような結果は得られないのではないかと思います。運営委員会が自分たちで審査員になるなど、工夫できることはあるかと思いますが、そうせずに「不特定多数による『人気投票』」をしてきたことの理由を教えてください。


2. 審査基準を明らかにすること

 水コン実行委員のファイナリスト選出方法および候補者の最終的な順位がどのように決まるのかを公表してください。水コンは他大学のミスコンとは違い、ファイナリスト選出に関して容姿は審査基準にしていない、と弊団体と水コン実行委員会の皆様とのメールのやりとりで理解することができました。しかし、そのことを知るには、水コン実行委員への問い合わせが必要です。それを行わない限りは水コンは『こういう女性が美しい』と規範を作ってしまうミスコンと変わらないことが、実行委員以外には伝わらず、「美」および「女性のあり方」を画一化しているという批判は免れないと考えます。


3. 「水コン」という名称の使用を中止し、イベント名を変更すること

 水コンという名称はどのような経緯でつけられたのでしょうか。候補者が広報活動で「ミスコン」という言葉を使っていることから、水コンは「お茶の水女子大学のミスコン」を単に略しただけのように見えます水コンを女性の容姿で順位付けをする「ミスコン」から差異化するためには、別の名称にすることが有効な手段であると思うのですが、どうお考えでしょうか。


4. 恋愛・結婚をすることを前提とし、異性愛を想定した質問の掲載取り止め

 「『ドキッ』とする異性の仕草は?」「理想の結婚相手」というWebサイトでの質問の掲載は、この社会の誰もが気持ちよく答えられる質問になっていますか。ファイナリストがどの質問に回答するかを自分で選べたとしても、女性のことが好きな女性がファイナリストであった場合、もしかすると「自分だけこの質問を掲載しないと同性愛者だと思われてしまうかな」と考えて、安心して質問に答えられないこともあるのではないでしょうか。理想の結婚相手についても同様です。またファイナリストの水コンに対する熱意や社会活動を評価するならば、それらの質問は本当に必要でしょうか。たとえWebサイトの運営を行っているのが外部団体であったとしても、水コンとしてのそのような質問を掲載することは、水コンが『異性愛者で恋愛・結婚をすることが前提である』価値観を有しているという誤った認識を社会に与えてしまうと考えます。


5. 最終審査でのウェディングドレスの着用の中止

 最終審査でのファイナリストによるウェディングドレス着用を中止してください。ウェディングドレスの着用は、どのファイナリストが「良いお嫁さんになりそうか」という印象を特に男性に与えることで、「選ぶ男性、選ばれる女性」という構造を再生産しています。それはファイナリストや実行委員の望む水コンの在り方と一致しないと思います。


6. 大学外機関・企業との関係を公開し、内容によっては関係を断つ

 大学以外の団体や企業スポンサーとの関係および金銭の授受の有無を公開してください。水コンはミスコレという外部団体のウェブサイトを利用しています。水コンが外部団体や企業との関係を持つことは、女性の容姿を商業利用するプラットフォームに載り、それに貢献することにつながる可能性があると思います。今回リゼクリニックがスポンサーに決定したことをうけ、女性の身体を審判するまなざしが付随する脱毛のスポンサーをつけて「コンテスト」をすることの意味について、今一度考えてください。お茶の水女子大学では幼稚園児から大学院生までが同じ構内で一緒に学んでいることを考えると、イベント内容や提携スポンサーが発しているメッセージを特に意識していかなければなりません。そのことに気づかず、協賛大学となったのであればそのスポンサーとの提携をやめるよう要請します。                         

 以上

公開要望書: 格言

公開要望書の訂正(2020.01.27)

5. 最終審査でのウェディングドレスの着用の中止
⇨結果発表でのウェディングドレスの着用の中止


私たちは公開要望書の作成当時は、どのような形でウェディングドレスを着用しているのか理解しておりませんでしたが、水コン実行委員会の皆様から、ウェディングドレスの着用した姿は審査対象とならず、グランプリの発表の際にファイナリストの皆さんが着用していると言う指摘がありました。私たちの認識が間違っていましたので、こちらを訂正いたします。

最終的にウェディングドレスを着用することは「お嫁さん」を最終ゴールにしていることには変わらず、結果発表でもウェディングドレスを着用することの中止を求めます。

公開要望書: テキスト
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